舐達麻

最近観よう観ようと思っても映画館に行く気がなくなってしまう。最後に神保町で観た田中徳三の『ドドンパ酔虎伝』は結構面白かった気がする。新作観に行く習慣がなくなるとちょっときついですね。

 

完全にAbemaのライブ映像で知るというにわかっぷりだけど舐達麻にめちゃくちゃはまっている。チキチキしたサウンドが苦手だからやっぱりこっちに落ち着いてしまうんですよね。既に出ているアルバムも相当やばいけれど今度出るらしい2ndには期待。

 

自分の好きなGreen Assassin Dollarのプロデュースもあるし、7SEEDSって人がやってるLifeStashって曲が最高にかっこいい。このチンピラっぽさが堪らない。


LifeStash / 舐達麻 (prod.7SEEDS)

 

今度FRANK-N-DANKの初来日があるので友達と行く予定だけどMr.PUGのライブが見れるのが地味に楽しみ。MONJU、ISSUGI、仙人掌は結構見てるけどMr.PUGのソロは初めて。ENDRUNとの曲も良いけどこっちかな。


Mr.PUG - Majestic feat. Eujin KAWI(Prod.by EL moncherie)

 

今月は他にConvergeとかThe Internetもあるので外タレが結構見れる。

ボヘミアン・ラプソディー

ブライアン・シンガーボヘミアン・ラプソディー』を観ました。こういう展開になると辛いな〜と途中からずっと退屈してしまったけれども、曲が良いなとずっと観続けてしまい何だかよくわからない感情を覚え映画館をあとにしました。あの窓越しにライトを点滅させる場面をあんな色気0で撮って良いものなのか。

 

ちょっと前に『ヘレディタリー/継承』と『来る』も観た。『ヘレディタリー/継承』は運動神経皆無なので面白くなかった。怖い怖くない以前の問題だと思う。『来る』は観ている最中に何故かカーペンターの『パラダイム』が無性に観たくなったけどソフトが手元に無かったので『ザ・フォッグ』を観る。実在する何かが襲ってくる感覚に安心する。

 

STUTSとJJJのChangesという曲のMVが上がっていたから最近ヘビロテをしている。KOJOEのとかCracks Brothersのとか色々Febbが出てくるけど、これに出てくるのは普通に泣きそうになるからズルい。STUTSの新譜はあんまりノレないから通しで聴くことはないけど、この曲はかなり好きです。


STUTS - Changes feat. JJJ (Official Music Video)

 

最近ずっとビート作りの練習をしてたけど音圧の稼ぎ方を何とか身につけたので、前よりも色々試しながらできて楽しい。肝心のドラムの音を集めるのが面倒だったけど最近Gradis Niceとか9th Wonderのドラムキットが発売されたりで便利に使わせてもらってます。サンプル探すときに色々な音楽聴けるのも良い。

 

今年聴いた音楽

Twitterなどでちょくちょくベストみたいなのを挙げている人たちを見かけるので便乗して。今年は特に下半期の新作を観ていないので映画はできないかな。

 

1.cero - POLY LIFE MULTI SOUL

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今年はとにかくこればかり聴いていた気がする。それまで激情寄りのハードコアしか聴いていなかった自分をヒップホップの世界へと誘ってくれた前作Obscure Rideもかなり聴いていたけど、今作が出てからはめっきり聴かなくなってしまった。父親がかなりのワールドミュージック好きで子供の頃に色々聴かされていたからか懐かしく感じるメロディーが頻出しているのもハマっている理由かもしれない。リズムが複雑ってイメージがあったけどライブで聴いてしまうとかなり乗りやすく感じられるようになった。TWNKLとかかなりバウンスできるしライブでは汗だくになってしまう。

 

2.BES & ISSUGI - VIRIDIAN SHOOT

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そこまでラッパーに頓着しないけれど、この二人は問答無用にかっこいいしビート選びも間違いない。特にBESのラップの独特な乗せ方がISSUGIとやってることでより際立っているのが面白い。今月末に出るREMIXはジャケットも無茶苦茶かっこいいし手元に置きたくなる感じ。

 

3.ERA - Culture Influence

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THE 文化系ヒップホップという感じ。FebbがビートをやっているYou&Iが最高すぎる。曲単体だとこの曲が今年で一番。Goneって曲で聴けるJJJのビートもちょっとどうにかしているくらいポップでファニーだけど、他のトラップっぽいチキチキビートに良い具合に溶け込んでいるのが凄い。

 

4. Budamunk - the groove room vol.2

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BudamunkがチョイスするR&Bがかなり気持ち良い。Glenn JonesとかJodeciとか最高。音の鳴り方がスペーシーで低音もかなり出ている。トライブのLove Movementを聴いているみたい。このミックスに入っていたから気付いたけどCRAMがISSUGIのリミックスと仙人掌との曲で使っているビートの元ネタってLNDN DRGSなのか。

 

5.ISSUGI - THE STORY OF 7INC TREE -Tree & Chambr-

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今年は岡山から東京に出てきてISSUGIとかMONJUのライブやクラブイベントに色々行けて良かった。今まで知らなかった人たちを知る良いきっかけになったし面白い企画だったな。特にMr.PUGのEPでもビートを提供している弗猫建物のVANYが良い。

 

こう挙げていくとDogEarr、DNC界隈ばかりで偏ってるけど、特にコメントがあるのがこれだけということで。元々Kid Fresinoは好きではないのと5lackも客演でやってるのは好きだけどソロはあまりという感じでそこら辺の新譜はノレませんでした。

 

最後に、通勤用にミックスを作りました。寒くなってきたのでそれっぽい感じのを気分で。

 

白夜

ユーロスペースブレッソンの『白夜』を観ました。3人が同じ動作でヒッチハイクをするところから始まるように、ブレッソンといえば馬鹿の一つ覚えで「手」「手」となってしまうけれど、ギョーム・デ・フォレが街を徘徊するショットで彼がただの一度もポケットに手を入れる素振りを見せないことに感動してしまった。こういう所で北野武の『その男、凶暴につき』なんかを思い出す。

 

そのちょっと前にイメフォのアラン・ロブ=グリエ特集で『ヨーロッパ横断特急』と『嘘をつく男』を観た。『ヨーロッパ横断特急』は予告で列車内の銃撃戦らしくものが映ってたので一番マシかなと思ったけど、全然チェイスがなくてつまらない。『嘘をつく男』も勿体ぶっていてつまらない。気が向いたら他の作品もとは思うけど、新作とかフリードキンを優先したいかな。

 

最近ハマっているのがLord Apexっていうロンドンのラッパー。今年の9月に出ているThe Kountと組んでるS.O.I.L.-EPがそこそこ良かったので、他に聴いてみたら2015年に出ていたHyōkō meisōってのが中々良くてリピートしている。

 

全然知らなかったけどSenzoっていうビートメイカーと組んでる2曲が特にかっこいい。いかにもSP-404で組んだみたいなLo-Fiビートなんだけどネタ使いが上手いからドープ。夜に聞くと良い感じです。Bandcampに音源は上がってますので良かったら。

体操しようよ

菊地健雄の『体操しようよ』を観た。知らない間に公開されていて、そこまで上映館数も多くないっぽいから早めに観ておこうという感じで向かったけれどそこそこ良かった気がする。皆が同じ方向を向いて同じ動きをするっていうのが結構映画的なのか上手いことやられるので感動してしまう。

 

冒頭の食事の場面での草刈正雄木村文乃の座り方や、和久井映見の働いている喫茶店のカウンターのあり方だったり、人の配置や向きには意識的に演出されている感じがあった。室内での撮影の気合いの入り方からして凄かったけど撮影は佐々木靖之だった。

 

続けてステファノ・ソッリマの『ボーダーライン ソルジャーズ・デイ』を観た。どうも苦手なヴィルヌーヴの前作はまあ良い意味でも悪い意味でも癖があって全然ノレなかったけれど、今作はそこまで癖もなく観やすかった。

 

一番の盛り上がりと言っても良い砂埃舞う中での護送シーン、カーチェイス要素はないけど『マーシュランド』とか『アンダーカヴァー』っぽさもありという感じで良いけれど、銃撃戦がショック描写になってしまってるのはどうなのかと思う。個人的に好きなのは「これから始まりまっせ」みたいなお膳立てがしっかりされて且つ持続している銃撃戦なので。『ヒート』とか『毒戦』みたいな。

 

あとは国防長官?がジョシュ・ブローリンに指示をする場面での顔への影の乗り方とか黒があんまり画面に定着していないのがかっこよくなかった。あと一作目はあんまり覚えてなかったけどベニチオ・デル・トロってあんな感傷的なキャラだったっけ。

 

そして最近Ableton Liveを導入したのでビートを作ってるときによく使うようになった。tofubeatsのHARD-OFF BEATSで色んな人が使ってて気になっていたけれど、実際に触ってみると基本的なところは結構簡単にいじれるから導入して良かった。

 

これあればこんなこともできるなと思ってMixも作ってみました。そんなに上手くないですけどMixcloudに上げてみたので良かったら聴いてみてください。始めのOddiseeの曲の元ネタはISSUGIとPUNPEEが7INC TREEでビート作ってたのと同じですね。

 

THE DEPTHS、他

仕事帰りにイメージフォーラム濱口竜介の『THE DEPTHS』を観てきました。他の濱口作品に比べるとそこまでという感じではあったけど色々なことをやっているなと楽しめた。物語の重要な転換ともなる写真が撮られる披露宴会場前での長回し、人とぶつかり風船が飛びジャンプしてそれを掴み、と思うと車の扉がバタンと閉まる音がしてカメラがその方向にパンして行くと女性2人を乗せたタクシーが呆気なくその場を去っていくという、石田法嗣の写真が撮られるまでの間にこれでもかとアクションが繰り広げられるけど、いかんせん通りが狭いからか窮屈さが否めなかった。

 

ここよりかは米村亮太郎が石田法嗣を連れ出す逃げる夜の場面での大きな道路を使ってグルッと一回転するアクションの方が贅沢さがあり好みだった。あの画面奥に佇む団地のような建物をノワール映画かのように大きく覆う木の影が忘れがたい。あとは映画で表現する「(音楽でも絵でも何にせよ)これは凄い。。」みたいなのは失敗するものだと思ってて、この映画でも出てくる「魅力的な男娼」みたいなのもあまり納得できるものには見えなかったけど、石田法嗣が頭を丸めるとむき出しになってくるドゥニ・ラヴァン感みたいなのはそこから上手く回避できてるのかなと思った。っていうかこれがやりたかったのかな?という感じ。

 

他には『ヴェノム』を観た。過去作も気に入ってるルーベン・フライシャーの新作は概ね満足できるものだったかなとは思うけどやっぱりちょっと思うところはある。同じフライシャーの映画を思わせる冒頭のニュース映像なんかは丁度良いけど、その後ずるずる続くトム・ハーディーの人物像描写が結構続く展開だったり、これは観る側の問題かもしれないけど何だか何やってるのかイマイチ把握できないアクション設計だったり、研究所に忍び込むシーンが呆気なかったり。まあギャグは小気味良いし良かったのでは。

 

それよりかは全く期待していなかったフークアの『イコライザー2』の方が何となく来るものがあった。例のお爺さんを迎えに行く海沿いの町での天候が始めの方から強風気味だったし、それっぽい説明もあったけどラストにあんな馬鹿馬鹿しい決闘シーンを放り込んでくるのには何だか感心してしまった。途中の殺しがダラダラしてたりってのもあるけどまあフークアの映画って昔からちょっと甘いところあったしね。

 

かなり前にCDを買ってたけど開けてなかった奈良のビートメイカー Yotaroのビート集をヘビロテしてるけどかなり良い。去年出てるCozmik Rawsなんかは冒頭からコンプがパツパツにかかったビートが良い感じだし、ベースの乗せ方ひとつでここまでグルーブが出るのかと勉強になることばかり。


Yotaro - Cozmik Raws [Full BeatTape]

Palm 他

Daymare Recordingsが定期的に開催してるLeave Them All BehindにNeurosisとConvergeが来るということで早速チケットを買いました。最後に行ったのが2012年とまあまあ前なので楽しみです。その時はDeafheavenとGodfleshが来てたけど、Godfleshのあまりの音のでかさに終わったあとぐったりした記憶がある。

 

今回特に嬉しいのがConvergeがYou Fail Meを完全再現してくれることですね。このアルバムが一番好きなので今から待ち遠しいです。このライブを知ってそういえば買ってなかったことに気付いてPalmの新譜 To Live Is To Die, To Die Is To Liveを買って聴いてます。音が極悪だしボーカルもブチ切れてるけどリフとかがキャッチーでとても聴きやすい。Burn The Silenceのギターがギャンギャンしたソロみたいなのをやった後にブレイクに雪崩れ込む展開が堪らないですね。

 

この手のジャンルはあんまり詳しくないけどNailsを思い出す。この曲大好きなんですよね。


Nails - Abandon All Life

 

渋谷Harlemで日曜日にJazzy Sportの15周年イベントがあるのも楽しみ。KOJOE、MONJU、GAPPERが一気に見れるのが最高。この前のClubasiaであったISSUGIのリリパでビートライブが見れなかったAaron Choulaiもチェックしたい。

 

KOJOEは最近色々動いてるけど、illmoreとのリミックス集は特に良かった。動いてるFebbを見ると泣きそうになるんですよね。原曲よりこの貴乃花バージョンの方が好き。


KOJOE “Salud” feat. MUD & FEBB -illmore Remix- (Official Video)

 

後はこの前にワイズマンのニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそを観た。こう考えると最近の美術館とか踊りとかを撮っていたのよりも、こういう作風の方が色々と充実していて良いなと思った。それにしても夜の街に花火が打ち上がる数ショットが小気味よく繋がっていくのを観ている間に久しぶりに「短すぎる」と思ったし少し映画欲が出てきたので良い体験でした。